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このはな手帖

【楽しい豆知識を紹介】七夕の日は何をする?由来は?家族で素敵な七夕を!

【楽しい豆知識を紹介】七夕の日は何をする?由来は?家族で素敵な七夕を!

七夕は、小さい子どものころから馴染みのある行事かと思います。
日本人なら誰しも、1度は短冊に願いを書いたことがあるでしょう。

しかし、七夕とは?と聞かれると、答えるのが難しいかもしれません。
なぜ短冊に願い事を書くの?なぜ笹に七夕飾りを飾るの?なぜ織姫と彦星は年に1度しか会えないの?と、お子さまから聞かれたら、どう答えますか。

実は、中国伝来のこの七夕。

この記事を読んで、七夕の由来や歴史、願いを込めて書く短冊や笹に飾る七夕飾りの意味を知れば、今年は家族みんなでより一層七夕を楽しむことができるでしょう。

1.七夕とは?

七夕の笹と短冊

1-1. 中国伝来の五節句の一つ

五節句とは、元々は奈良時代に中国から伝わった5つの季節の変わり目の日のことをいいます。

この季節の変わり目の日には、無病息災や豊作を願い、厄払いや神様へ季節のお供え物をする風習がありました。

当初、それぞれの季節に数多くあった節句ですが、江戸時代に特に大事な5つの節句を「五節句」とし、儀式を行う「式日(しきじつ)」として定められたのが、次の5つです。

・「人日の節句(七草の節句)」(1月7日)
・「上巳の節句(桃の節句)」 (3月3日)
・「端午の節句(菖蒲の節句)」(5月5日)
・「七夕の節句(笹竹の節句)」(7月7日)
・「重陽の節句(菊の節句)」 (9月9日)

五節句は、すべて奇数の日に設定されていることにお気づきでしょうか。

これは奇数を陽、偶数を陰と考える陰陽五行説に基づくものであり、奇数同士が重なると偶数、すなわち陰となるため、邪気を払うという意味で五節句が設定されたといわれています。

1-2. 七夕の歴史

日本に伝わってきた当初、七夕は朝廷や貴族による宮中行事でした。

貴族たちは桃や梨、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなどをお供えして星を眺め、香をたき、楽を奏で、詩歌を楽しんだといわれています。

また、サトイモの葉にたまった露を「天の川のしずく」と考え、それで墨を溶かし梶の葉に和歌を書いて願いごとをしていました。梶は古くから神聖な木とされ、祭具として多くの場面で使われてきました。(出典:七夕の歴史・由来|岩井製菓

江戸時代になり七夕行事が五節句の一つとなると、七夕の文化は庶民の間にも広まり、全国的に行われるようになりました。

人々は野菜や果物をお供えし、詩歌や習いごとの上達を願いました。梶の葉のかわりに五つの色の短冊に願い事を書いて笹竹につるし、星に祈るお祭りと変化していきました

1-3. 毎年7月7日

明治時代に旧暦から新暦へと変わりましたが、七夕の日付はそのまま新暦へと移動となりました。

よって、七夕は現在使われている新暦(太陽太陰暦)でも、毎年7月7日です。年によって変わることはありません。

1-4. 七夕は雨の日が多い!?

7月7日の七夕は梅雨時期であるため、goo天気で過去50年の7月7日の天気(東京)を調べてみると、晴れだった年は18回しかありません。

直近の10年では、たった3回です(2013年、2016年、2017年)。

七夕といえば「織姫と彦星が年に一度だけ会える日」として知られていますが、七夕の日に降る雨は「催涙雨(さいるいう)」と呼ばれ、様々なお話があります。

・織姫と彦星が1年に1度の再開を果たしたうれし涙
・雨が降って天の川の水かさが増し、織姫が彦星に会えなかったことで流す悲しい涙
・織姫と彦星が逢瀬の後に別れるのが辛くて流す涙

また、七夕の前日(7月6日)に降る雨は「洗車雨(せんしゃう)」との別名もあり、彦星が織姫に会いに行くために牛車を洗ったときに流す水であるともいわれています。

七夕は前述の通り奈良時代に日本に伝わりましたが、他にも韓国・ベトナム・台湾にも伝わりました。

紙が貴重品だった当時、こうした物語は口頭で伝えられていたので、各地に様々な解釈が存在するといわれています。

1-5.  国立天文台が提唱する「伝統的七夕」

7月7日は梅雨時期であり雨が多いため、実際のところ星を見ることが難しいというのが実情です。

そんな中、2001年から国立天文台は旧暦の七夕を「伝統的七夕」と定め、全国各地で天体観望会などの関連イベントを開催しています。

ややこしい話になりますが、旧暦の七夕である7月7日を新暦に当てはめると毎年日付が変わります。今年(2023年)は8月22日が「伝統的七夕」にあたります。

8月の上旬を過ぎると全国的に梅雨が明け天候が安定し、星を楽しむのに適した季節となります。

旧暦では月の満ち欠けと日にちが対応しているので、「伝統的七夕」の観測条件はほぼ毎年変わらず、月は上弦の月であり夜半前には沈み、その後は天の川が美しく見えることが期待できます。

2.七夕の由来は?

七夕は、以下の3つの行事が由来とされています。

・日本古来の禊行事「棚機(たなばた)」
・中国行事「吃巧奠(きっこうでん)」
・織姫と彦星の物語

一つずつ、詳しく見ていきましょう。

2-1. 日本古来の禊行事「棚機(たなばた)」

機織り機

日本では古くから、「棚機(たなばた)」という禊行事を行っていました。

これは、女性が着物を織って棚にお供えすることで、神さまをお迎えして秋の豊作を祈り、人々の穢れを払うという行事です。

着物を織るものとして選ばれた女性は「棚機津女(たなばたつめ)」と呼ばれ、水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織ります。そのときに使われたのが「棚機」(たなばた)という織り機です。

やがて仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。

現在、七夕という二文字で「たなばた」と当て字で読まれるのは、この風習が由来とされています。

2-2. 中国の行事「吃巧奠(きっこうでん)」

裁縫

吃巧奠(きっこうでん)とは、女性の裁縫・染織・詩歌が上達することを願う中国の行事です。

「乞巧(きっこう)」とは、「技巧を授かるよう願う、上達を願う」、「奠」は、神仏に物を供えて祭るという意味を表します。

そのルーツは古代中国、6世紀頃の書籍「荊楚歳時記(けいそさいじき)」にあります。

同書は中国南方の荊楚地域の年中行事を順番に記したものですが、そこには7月7日は牽牛と織姫が逢瀬を交わす夜であるとされ、その夜には婦人たちが7本の針の穴に美しい彩りの糸を通し、捧げ物を庭に並べて針仕事の上達を祈ったと記されています。

2-3. 織姫と彦星の物語

織姫と彦星と天の川

有名な「夏の大三角形」といえば、ベガ・アルタイル・デネブ。こと座のベガが織姫、わし座のアルタイルが彦星だといわれています。

この星にまつわる中国の織女・「織姫」と牽牛・「彦星」の伝説の物語は奈良時代に中国から日本に伝わったものです。織姫と彦星の物語といえば、私たち日本人にとっても馴染みがあるものですね。

織姫と彦星の物語は、以下の通りです。

織姫は神様たちの衣を織る仕事をしていました。
織姫の織る衣はとても美しく素晴らしい布であると評されていましたが、あまりにも仕事に真面目な織姫本人は自信の身なりには構わず、男性との出会いには無関心でした。

そこで、娘・織姫を気の毒に思った父・天帝(古代中国の思想で、天地・万物を支配する最高神)は、娘の幸せを願い、伴侶を探し始めます。

そこで見つけたのが牛追いを生業とする牽牛の彦星です。
この青年ならば娘を幸せにしてくれるにちがいない、と考えた天帝はふたりを引き合わせます。
ふたりはすぐに恋に落ち、めでたく夫婦となります。

結婚してさらに惹かれ合うようになった織姫と彦星は、楽しい日々に夢中になり、だんだんと仕事がおろそかになっていきました。

織姫が怠けて機織りをしないため、神々の着物はボロボロになっていきました。
彦星も牛の世話をしないため、牛は痩せ細り、ついには病気になってしまいました。

この堕落ぶりに激怒した天帝は、織姫と彦星を天の川を挟んで東と西に引き離してしまいます。
ふたりはお互いの姿を見ることすらできなくなってしまいました。

広い天の川の両岸に離れ離れになり、織姫は寂しさのあまり1日中泣いて暮らすようになります。
二人とも、悲しむばかりで織姫は機を織ることもできません。
あまりに不憫に思った天帝は、以前のように真面目に働くのであれば年に1度だけ彦星と会うことを許します。それが7月7日の七夕です。

織姫と彦星は心を入れ替え、七夕の夜の再会を楽しみにしながら以前に増して熱心に働くようになったといいます。

3.笹に短冊を飾るのはなぜ?

3-1. まっすぐ育つ竹(笹)は縁起物

七夕につかう笹

五節句である七夕は、別名「笹の節句」とも呼ばれます。

笹の葉というのは昔から神聖な植物として珍重されてきました。生命力が非常に強く、まっすぐに育つ竹(笹)は、寒さや暑さ、強風や雪にも負けない丈夫な植物であることから神事に使われることが多かったのです。

また、七夕の歌といえば「♪ささのは  さらさら」ですが、この笹の葉の音は神さまを招く音ともいわれています。

さらに、暑い時期は食べ物が腐りやすくなりますが、笹の葉には抗菌効果があるため、ご先祖様へのお供物などの下に敷き、防腐の役割も果たしていたともされています。

また昔は七夕の日に、笹の葉にお供え物をのせ、願い事やケガレと一緒に川に流す習慣もありました。

3-2. お星さまに技能の上達を願う

短冊に書く願い事

七夕には短冊にお願い事を書くというのが、通例です。

これは、中国行事「吃巧奠(きっこうでん:女性の裁縫・染織・詩歌が上達することを願う行事)」を取り入れた風習です。

平安時代、当時まだ紙が高級品だったころ、七夕がまだ日本で貴族文化でしたが、貴族たちは紙に願い事を書いてお供物と一緒に七夕の日の朝に川へ流していました。

これが、現在の短冊にお願い事を書くことの原形であるといわれています。

3-3. 五色の短冊の意味とお願い事

五色の短冊

七夕の歌で「♪ごしきのたんざく わたしがかいた」というフレーズがあります。

ここでの五色とは、青・赤・黄・白・黒(紫)です。

これは、中国の紀元前、春秋戦国時代に生まれた「五行思想」から生まれたものであり、自然界のすべてのものを木・火・土・金・水の5つにあてはめる考え方である中国の陰陽五行説に基づきます。

この5つの要素を色で表すと、それぞれ青は木、赤は火、黄は土、白は金、黒は水となります。

ただし、日本では、昔は緑を「あお」と呼んでいたことから青は緑へ、好まれない黒の代わりに高貴な色とされる紫へ、変化したと言われています。

七夕飾りにおいては、短冊にこの5色を使用することで、魔除けになるとされていました。

また、この「陰陽五行説」は、人間が生きる上で大切な考え方である「五徳(仁・礼・信・義・智)」にも通じるとして、短冊の色ごとに意味を込めたといわれています。

短冊にお願い事を書く風習は、手芸(裁縫・染織・詩歌)の上達を願う中国の風習に由来するものですが、現在ではたくさんの技巧がありますので、手芸に限らず、色ごとにあった技能の習得をお願いするのもいいかもしれません。

3-3-1. 青(緑):仁

人間力を高め、成長し、徳を積む。人への思いやりを持つ。
(例)「○○できるようになりますように」「○○をなおせますように」

3-3-2. 赤:礼

祖先や親に感謝する気持ち。目上への礼を大切にすること。
(例)「いつもありがとう」「祖父母が元気で長生きしますように」

3-3-3. 黄:信

人を信じ、大切に思う気持ち。よい人間関係を築くこと。約束を守ること。正直であること。
(例)「友達がたくさんできますように」

3-3-4. 白:義

義務や決まりを守る気持ち。
(例)「今年は寝坊しませんように」「毎日ピアノの練習をする」

3-3-5. 黒(紫):智

学業の向上を願う気持ち。
(例)「たくさん漢字を書けるようになりますように」「受験がうまく行きますように」

4.七夕飾りの意味は?

4-1. 吹き流し

ふきながし

織姫の織糸を模した飾りであることから、手芸や機織りの向上を願って飾ります。

また、鯉のぼりにも使われるこの吹き流しですが、魔除けの意味もあります。

4-2. 網飾り

網飾り

漁師が漁に使う網を模した飾りで、豊作、大漁を祈願します。

また、漁で使う網は、かかったものを絡めてとり引き寄せるものですが、このことから、幸せを引き寄せすくい取る、という意味もあります。

4-3. 折り鶴

鶴

「長寿」「長命」の象徴である鶴。鶴を飾ることは、家内安全や長寿を願う意味があります。

さらに、鶴のつがいは一生相手を変えないことから、「夫婦円満」の象徴ともいわれます。家族仲良く過ごしたいとの願いを込めて飾るのもよいかもしれません。

家長の年の数だけ、もしくは千羽鶴にする場合もあるようですが、「千」とは「たくさん」という意味なので、思いを込めてできる範囲で折ればよいでしょう。

4-4. 神衣(かみこ)

神衣

折り紙で作った人形や着物が紙衣です。機織津女が織った神さまの着物「神御衣(かみこ)」を模していています。

七夕の由来通り、裁縫の上達を願うだけでなく、着るものに困らないよにとの願いも含まれます。

また、病気や災いが起こらないようにという厄除けの意味や、子どもの健やかな成長を願い身代わりとして流す形代(かたしろ)の意味合いもあるとされています。

4-5. 巾着

巾着

古くはお金を入れていた巾着は、貯蓄や金運の上昇を願う飾り物です。商売やビジネスをされている人には最適な七夕飾りといえるでしょう。

より金運を高めたい方には、黄色や白色の色紙がおすすめです。お金が逃げないように、口の部分をしっかり結びましょう。

また、巾着ではなく財布を飾る場合もあります。

4-6. ちょうちん

ちょうちん

日本のお祭りや法事でよく使われるちょうちんは、「正しく導く」「魔除け」といった意味を持ちます。

4-7. くずかご

くずかご

七夕飾りを作り終えた後に出る紙くずを入れる飾りです。小さなごみを集め、整えて飾ることで、整理整頓がうまくなるようにとの願いを込めながら、物を粗末にせず大切にする気持ちを育てます。

5.おしゃれな七夕飾りを作ってみよう!

七夕飾り

家族でおしゃれな七夕飾りを作っておうちに飾る、というのもいいでしょう。

小さいお子さまも楽しめる七夕飾りが紹介されています。
定番の飾りから、星かざりや貝つなぎなど、揺れるとかわいい飾りまで。
作り方は動画でも紹介されていますので、わかりやすくおすすめです。
七夕飾り折り紙で簡単!おしゃれで可愛い作り方【16選】 | kodomoto.

今年は少し凝った七夕飾りを作りたい、という方にはこちらがおすすめです。

工作に自信のある方向け。かわいい花のフラワーボールの吹き流しの折り方です。
細部にまでこだわったとってもかわいい飾りです。
折り紙 七夕飾り 可愛い花のくす玉の吹き流し飾りの作り方  – YouTube

6.七夕飾りはどこに・いつ飾る?その後の処分は?

七夕飾りをつける

6-1. おうち事情にあわせてどこに飾ってもよい

戸建て、マンションなど住宅事情は様々かと思いますが、基本的に自宅の敷地内であればどこに飾っても構いません。

大きい笹であればお庭がよいでしょうし、リビングにこじんまりとしたサイズの笹を用意してもいいでしょう。

笹を用意できない場合は、リビングの壁に折り紙を貼り付けるだけでも、七夕の雰囲気を楽しめることかと思います。屋内に飾れば、雨風の心配も不要です。

ただし、ベランダに飾るときは注意しましょう。落下の危険性があるだけでなく、ベランダは火災などの非常時の避難経路となっていることが多いです。また、ベランダの専用使用権についてもマンションの管理規約に定めがありますので、ベランダに笹を飾ることは注意しましょう。

ちなみに、七夕の歌では「♪ ささのは さらさら のきばに ゆれる~」と歌われていますが、「軒端(のきば)」とは軒先、つまりは外壁や窓よりも突き出ている屋根の下あたりという意味です。

6-2. 七夕の前日の夕方から夜に飾る

本来、七夕飾りは「一夜飾り」といわれ、七夕前日の夕方夜に飾るのが古来の習わしです。

というのも、七夕の起源の一つである古来日本の禊行事では、着物を織るものとして選ばれた女性(棚機津女)は、七夕の前日である7月6に神様にお供えする着物を織り、七夕当日に禊をしていました。

こうした背景もあり、七夕飾りには人の穢れが移ると考えられえていました。そのため、きれいな飾りであっても、長くは飾りませんでした。

ただし、現代の日本では、七夕を禊行事ではなく、楽しい夏のイベントとしてとらえている方が大多数かと思います。

7月に入ってから、七夕飾りをゆっくり作り、飾った笹を目で楽しむというのも七夕の醍醐味です。

風習にこだわらずに、飾り始める時期は自由に選んで問題ありません。

6-3. 七夕当日中に片づけましょう

前述の通り、七夕は禊行事としてのルーツも持ち合わせるという意味合いから、七夕当日夜には片づけるのが通例です。

地域によっては、イベントとして「七夕送り」を行う風習もあります。七夕送りとは、七夕飾りを川や海に流して、神様に願いや厄災を持ち去ってもらうものですが、環境保護の観点から禁止されてしまったところも多いのが実情です。

6-4. 七夕飾りの処分

6-4-1. 白い紙に包んで燃えるゴミへ

白い紙にはお清めの効果があるとされていますので、白い紙に包んで燃えるゴミとして処分するのが最も簡便な方法です。

6-4-2. 神社でお焚き上げ

地域の神社でお焚き上げをするところもありますので、持ち込む前に事前に神社に相談してみましょう。

7.七夕には何を食べる?

7-1. 索餅(さくべい)

索餅出典:「索餅(さくべい)」は通販で買える?!七夕の伝統的なお菓子【グレーテルのかまど】」 – 明日は何を食べるかな 

索餅(さくべい)とは、平安時代の貴族が七夕に食べていたといわれている揚げ菓子です。中国から日本に伝わった唐菓子の1つで、そうめんの祖となったともいわれています。

中国で「索」とは縄や綱を意味します。「餅」とは小麦粉と米粉を混ぜ合わせたもの(いわゆる日本のお餅とは異なります)です。索餅は、その縄状の形状より麦縄(むぎなわ)とも呼ばれています。

中国の言い伝えによると、7月7日に亡くなった帝の子どもが疫病を流行らせたため、帝の子どもの好物であった索餅をお供えしたところ、疫病の流行が治まったとのこと。

それ以降、無病息災を願って七夕に索餅を食べる風習ができたそうですが、後に、「さくべい」→「さくめん」→「そうめん」に変化したといわれています。

7-2. そうめん

七夕の行事食としてのそうめん

そうめんは七夕の行事食として親しまれています。

これは、927年、醍醐天皇の時代に宮中での儀式や作法を集大成した「延期式」という格式にある、そうめんの原形である索餅(さくべい)が旧暦7月7日の七夕の儀式にお供え物の一つとされていたとの記述に由来します。

時を経て、索餅がそうめんに変わっていきますが、いまでもそのそうめんが七夕の行事食として食べられています。

七夕にそうめんを食べることについては、索餅を起源とするもの以外にもいくつか説があります。

・そうめんを天の川に例えた
・そうめんを裁縫に用いる糸に例えた(織物の上手な織姫に関連)

そうめんは作るのも手軽ですし、いつものそうめんに夏が旬のオクラやトマトを添えると見た目もかわいい一品になります。オクラは夏バテ防止や免疫力アップの効果も期待できる食材です。

>>>七夕におすすめ!そうめんのレシピ
彩りもきれい♪ お星様がいっぱい!七夕そうめんのレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHEN

7-3. ちらし寿司

ちらし寿司

ちらし寿司は七夕の行事食ではありませんが、盛り付けや食材をかわいらしくアレンジすることができるので、小さいお子さまのいるご家庭では七夕の食事にぴったりです。

>>七夕に作ってみよう!ちらし寿司のレシピ
七夕のすしレシピ【お寿司カレンダー】【おすしの作り方】 | すしラボ(SUSHI LABORATORY)│ ミツカン (mizkan.co.jp)

7-4. 七夕ゼリー

七夕ゼリー

小学校の給食で人気の七夕ゼリー。似たようなものはご家庭でも簡単につくることができます。

>>混ぜて冷やすだけで簡単!七夕ゼリーのレシピ
2層でかわいく♪ 七夕ゼリー – macaroni (macaro-ni.jp)

7.日本の三大七夕祭りといえば?

最近は新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止や規模を縮小して行われることが多かった七夕祭りですが、今年2023年は例年通りの開催を予定している地域がたくさんあります。

ここでは、特に「日本三大七夕祭り」といわれる3つを紹介します。

7-1. 仙台七夕まつり(宮城県仙台市)

仙台七夕まつり

仙台七夕は、古くは藩祖伊達政宗公の時代から続く伝統行事として受け継がれ、 今日では日本古来の星祭りの優雅さと飾りの豪華絢爛さをあわせ持つお祭りとして全国的に有名です。

こちらのお祭りは、旧暦の七夕の季節感に合わせるため、新暦1カ月遅れの暦である中暦を用い、現在の8月6日~8日開催となっています。(出典:開催概要 | 仙台七夕まつり – 伊達政宗公の時代より続く、日本一の七夕。

開催期間:2023年8月6日(日)、7日(月)、8日(火)の3日間
開催場所:仙台市中心部および周辺の地域商店街

>詳細はこちらをチェック
仙台七夕まつり – 伊達政宗公の時代より続く、日本一の七夕。 (sendaitanabata.com)

 

7-2. 湘南ひらつか七夕まつり(神奈川県平塚市)

湘南ひらつか七夕まつり

平塚の七夕まつりは、戦後商業振興策として始められたもので、活発な商業力に裏づけられた日本一といわれる七夕飾りの豪華さに特色があります。

中心街には約500本、特にメイン会場である「湘南スターモール」は絢爛豪華な飾りが通りを埋め尽くします。中には、10mを超える大型飾りもあり、活躍中のスポーツ選手や人気の動物、キャラクターなどの流行り取り入れた飾りも大きな特徴です。(出典:開催情報 | [公式]湘南ひらつか七夕まつり

開催期間:2023年7月7日(金)、8日(土)、9日(日)の3日間
開催場所:JR平塚駅北口商店街を中心とする市内全域(〒254-0043 平塚市紅谷町が中心となります。)

>詳細はこちらをチェック
 [公式]湘南ひらつか七夕まつり (tanabata-hiratsuka.com)

7-3. 安城七夕まつり(愛知県安城市)

安城七夕まつり

安城七夕まつりは、竹飾りのストリートが日本一長いといわれ、同様に短冊の数、願いごとに関するイベントの数も日本一といわれています。(出典:安城七夕まつりの歴史 | 安城七夕まつり 公式サイト

開催期間:2023年8月4日(金)、5日(土)、6日(日)
開催場所:JR安城駅前周辺

>詳細はこちらをチェック
安城七夕まつり 公式サイト (anjo-tanabata.jp)

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。

子どものころから馴染みのある七夕行事。その由来や歴史を知ると、より一層楽しむことができることかと思います。

・七夕とは、中国伝来の五節句の一つ

・日本古来の禊行事「棚機(たなばた)」、中国行事「吃巧奠(きっこうでん)」、織姫と彦星の物語が組み合わさったもの

・七夕飾りを飾る笹は、縁起物

・短冊の色と七夕飾りにはそれぞれに込められた意味がある

・七夕の行事食そうめんやちらし寿司、ゼリーを楽しもう

小さいお子さまいるご家庭では、日本の行事を楽しむよい機会ですので、記事を参考に是非七夕行事をしてみてくださいね。

<参考資料>
スター・ウィーク、伝統的七夕(2023年8月) | 国立天文台(NAOJ)
七夕の歴史・由来|岩井製菓 (iwaiseika.com)

よくある質問

[質問]七夕とは?
[回答]七夕とは、中国伝来の五節句の一つであり、日本古来の禊行事「棚機(たなばた)」、中国の行事「吃巧奠(きっこうでん)」、織姫と彦星の物語が組み合わさった行事です。
[質問]2023年の七夕はいつですか?
[回答]2023年7月7日です。
[質問]七夕飾りはいつからいつまで飾りますか?
[回答]七夕が日本古来の禊行事を由来の一つとすることから、七夕飾りは「一夜飾り」、つまり7月6日の夜から飾り、翌日の七夕当日中に片づけるのが本来の風習です。ただし、七夕飾りをゆっくり準備して楽しみたいという方は、7月6日以前から飾っても問題ありません。

 

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