INDEX
1. お七夜とは?
1-1. 赤ちゃんとお母さんのお祝い
お七夜とは、赤ちゃんが生まれて7日目に行う行事です。
赤ちゃんが無事に生まれたことと、これからの健やかな成長を神様に願います。
また、お母さんの産の忌(さんのいみ)が晴れたことに対するお祝いの意味でもあります。
お七夜は、赤ちゃんとお母さんの両方のお祝いの日なのです。
1-2. 平安時代の産立ち(うぶだち)の祝いが由来
生まれて7日目に行うお七夜は、平安時代の貴族が行っていた「産立ちの祝い」という行事が由来です。
平安貴族の間では、赤ちゃんが生まれた1日目を「初夜」、3日目を「三夜」、5日目を「五夜」、7日目を「七夜」、9日目を「九夜」とよび、奇数日に赤ちゃんが生まれたことを祝う行事を行っていました。
現在ほど医療の発達していなかった時代では、赤ちゃんが無事に毎日過ごせることが、何よりのお祝いであったためです。
時代がたつにつれ「七夜」だけが残り、江戸時代頃に庶民に広まったといわれています。
2. お七夜は何をする?
2-1. 「命名式」「記念撮影」「食事会」を行う
お七夜では赤ちゃんの名前を決める「命名式」や親戚を呼んでの食事会、記念撮影を行います。
お七夜のころの赤ちゃんは、まだお母さんのお腹の中にいた名残があるため、その時期の記念として手形や足形をとったり、ニューボーンフォトを撮影する方もいます。
2-2. お七夜を行う人は19%
アンケートによると、お七夜を行う、と答えた人は全体の19%ほど。
出産直後のあかちゃんとお母さんは体調も万全ではないため、お七夜を行わないという方が多数のようです。
(出典:らくらくくらし|お七夜はやった?やらなかった?子育て経験者100人調査!)
しかし、儀式とはいえお七夜には難しい決まり事はありません。
赤ちゃんとお母さんの体調が不安であれば、体調が落ち着いてからでも大丈夫です。
せっかくのお祝いですので、無理の無い範囲でお七夜のお祝いを行えば、きっとよい記念になりますよ。
3. お七夜はいつするの?
3-1. 赤ちゃんが生まれて7日目
お七夜はその名の通り、出生の日から数えて7日目の夜に行います。
しかし必ずしもその時期に行わなければならないわけではなく、出産直後のお母さんと赤ちゃんの体調を考え、生後2週目や3週目に行う方もいます。
お母さんと赤ちゃんの体調を第一に考え、心身共に安定した時期に予定を立てるようにしましょう。
3-2. 生まれた日を1日目として数える
お七夜を行う場合の7日目とは、生まれた日を1日目として数えます。
母子手帳などの「生後日数(日齢)」では、生まれた日を0日目として計算しますが、お七夜やお食い初めなどは「数え年」の数え方で数えるため異なります。
ただし、地域によっては数え方が異なる場合がありますので、気になる人は周囲の人に聞いてみてもよいでしょう。
3-3. 時期は7日を過ぎても大丈夫
お七夜の日程は7日目が過ぎても問題ありません。
生後一週間では、赤ちゃんもお母さんも体調が不安定です。落ち着いてできる時期になったら行うようにしましょう。
また、役所に届け出る出生届は生後14日以内に提出するものですので、まだ赤ちゃんの名前が決まっていない場合は名前が決まってから行うのがおすすめです。
4. お七夜は誰とする?費用はだれが負担する?
4-1. 昔は父方の祖父が主催
お七夜は、古くは父方の祖父が中心となり、盛大に執り行う行事でした。
昔は、お母さんがお父さんの家に嫁ぐことが一般的でした。赤ちゃんは、父方の祖父にとっては内孫(一家の跡取り)です。
お七夜で親戚や近所の人にお披露目する意味も含め、お父さんの家で、お父さん方の家族がお七夜を主宰したのです。
4-2. 現在は誰を呼んでもいい
お七夜には、誰を呼ばなければならないという決まりがあるわけではありません。
赤ちゃんが生まれて間もない時期であるため、赤ちゃんとお母さんの体調を考え、お父さんとお母さんと赤ちゃんで行う方もいます。
お父さんとお母さんと赤ちゃんで行う場合は、祖父母にあらかじめその旨を伝え、当日の写真などをプレゼントすると喜んでもらえるでしょう。
4-3. 場所にも決まりはない
以前は、お父さん方の実家などで行う行事でした。しかし、こちらも特に決まりはありません。
お母さんが里帰り中の場合は、お母さんの実家で行っても良いでしょう。何より大切なのは赤ちゃんとお母さんの体調です。
赤ちゃんとお母さんの負担にならないような場所を選ぶようにしましょう。
4-4. 費用負担も決まっていない
昔はお父さん方の祖父が主催する行事であったため、食事の準備などは全てお父さん方の家が負担していました。
しかし今のお七夜は、参加者も場所も様々のため、費用負担にも決まりはありません。
簡単なお祝いであれば、お父さんとお母さんで負担してもよいですし、祖父母からお祝いの申し出があった場合は素直に甘えてしまっても大丈夫です。
4-5. お七夜に呼ばれた時のお祝い金は?
親戚などからお七夜に呼ばれた場合、お七夜ではお祝い膳を用意されることが多いため、おおよそ5,000円~10,000円を準備するようにしましょう。
また、両家の祖父母が呼ばれている場合、両家で差が出ないようにあらかじめ相談しておくようにしましょう。
5. 命名式のやり方は?
昔は赤ちゃんの名前を決めお披露目をすることで、家族や近所の人々に社会の一員として認めてもらう意味があったといいます。
5-1. 命名式のやり方は自由
命名式は儀式とはいうものの、やり方は特にありません。
命名書とよばれる奉書紙(和紙)に赤ちゃんの名前を書き、和やかな雰囲気の中で、命名書を見せながら赤ちゃんの名前の発表をします。
その後は赤ちゃんの名前に込めた意味などを紹介しながら、会食をします。
命名書は命名式が終わったら、神棚や床の間、リビングなどに飾りましょう。
5-2. 命名書は誰が書いてもよい
命名書は、昔は赤ちゃんの名付け親や、一族の字の上手な人が書いていましたが、誰が書くという決まりはありません。
5-3. 代筆サービスを使うのもあり
命名書は必ずしも上手に書かなくてはいけないものではなく、思い入れをもって書くことが大切です。
しかし、どうしても字に自身が無い方は代筆サービスを利用するのも有りです。その場合、事前に準備し命名式の当日に間に合うように手配するようにしましょう。
代筆サービスは百貨店の他、Amazonや楽天などのネット通販、またはココナラなどで、プロに直接お願いすることもできます。
5-4. 命名書は「正式」でも「略式」でもよい
命名書には奉書紙でつくる「正式」のものと、「略式」のものがあります。
どちらを使用しても問題ありません。
5-4-1. 正式な命名書の作り方
正式な命名書は、購入するほか自身で奉書紙から作ることも出来ます。奉書紙で作成した命名書を、さらにもう1枚の奉書紙で包みます。
【作り方】
①奉書紙を横に二つ折りし、さらに縦に三つ折りします。
②中央に赤ちゃんの名前を書きます。 ③右上に親の名前(名付け親の名前)と続柄、左下に赤ちゃんの生年月日を書きます。 ④左の面には名づけ日と両親の名前を、右の面には「命名」と書きます。 ⑤向かって右側が上に来るように折りたたみます。 ⑥上袋はざらざらした面を上に向け、中央に命名書を置きます。 ⑦左部分、右部分の順番に包み込みます。同じように、上部、下部と折りたたみます。 ⑧最後に正面に「命名」と記入し完成です。 命名式が終わったら、三方にのせ、神棚や床の間に飾るのが正式ですが、ない場合は粗末にならないよう、リビングなどに飾りましょう。 |
5-4-2. 略式命名書は自由な形式
略式の命名書は、正式な命名書と同じく生年月日、名前、両親の名前を記載するのが一般的ですが、特に細かい決まりはありません。
色紙に書くものや、WEB上のテンプレートを印刷して命名書として利用する場合もあります。
また最近ではオシャレなものも多く、キャラクターが描かれたものや、木彫りの命名書などもあります。
【オリジナルオーダー】メモリアルプレート 木製 × アクリル製
5-5. 命名書はどこで購入する?
正式な命名書は、自分で奉書紙を購入し作るほか、文房具店やAmazonなどのネットショップで購入することもできます。
簡易的な命名書も文房具店や赤ちゃん用品専門店、ネットショップでも購入できますが、WEB上からダウンロードして自身で印刷するものもあります。
ファミリア|命名紙 ※ダウンロード
〇愛|命名用紙A4 ※ダウンロード
6. お七夜の食事会は何を食べる?
6-1. 伝統的には「祝い膳」
伝統的なお七夜では、縁起物を取り入れた祝い膳を囲みます。
尾頭付きの鯛や、出世魚であるブリやボラをメインに、赤飯、ハマグリのお吸い物、昆布巻きなどを揃えます。
昔は、各々の家で祝い膳を準備し出席者に振舞いましたが、ケータリングなどを利用しても問題ありません。
6-2. 伝統にこだわらないパーティー形式も
特に伝統にこだわらず、パーティー料理でお祝いしても大丈夫です。
お寿司やケーキなど華やかなパーティー料理でお祝いすることで、赤ちゃんとかわいい写真が撮れるだけでなく、お母さんへのねぎらいとしてのお祝いにもなります。
難しい決まりはありませんので、お父さんお母さんで相談して決めましょう。
6-3. 普段の料理でお祝いもOK
もちろんいつもの料理でお祝いしてもOKです。
お母さんの体調も戻っていない時期ですので、準備で無理をするのは厳禁です。
7. 記念撮影はどうする?
7-1. 家での撮影がおすすめ
お七夜の頃は、まだ赤ちゃんもお母さんも本調子ではありません。
そのため家での記念撮影がおすすめです。
最近のスマートフォンは写真も高性能ですので個人で撮影しても問題ありません。
プロにお願いする場合は、自宅まで来てくれる出張カメラマンさんにお願いするのも一つの手です。
7-2. 赤ちゃんと命名書を撮ろう
お七夜でおなじみの写真といえば、赤ちゃんと命名書の写真です。
伝統的な命名書ではおごそかなイメージの写真が、ポップな略式の命名書では可愛らしい写真が撮影できます。撮りたい写真に合わせて命名書を選んでも良いでしょう。
7-3. 家族写真も忘れずに
もちろん赤ちゃんを囲んでの家族写真も忘れずにとりましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんと写真が撮れるのは、お七夜の時期までです。
7-4. ニューボーンフォトはプロに任せましょう
ニューボーンフォトは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた名残が残る、お七夜から生後30日までの新生児の時期にしか撮ることができません。
生まれたばかりの写真を残しておきたい人は候補に入れてみても良いでしょう。
ただし、ニューボーンフォトは取り方によっては赤ちゃんの思わぬ怪我につながる可能性があります。
セルフで撮影する場合はあおむけでの撮影以外は避け、おひなまきやうつぶせの写真を撮る場合は、必ず知識のあるカメラマンに撮ってもらうようにしましょう。
8. 手形・足形をとろう
お七夜の記念に赤ちゃんの手形や足形を残してみましょう。
赤ちゃんは驚くほど成長が早く、生まれたての記録を残しておくのは今しかありません。
手形を見るたびに「こんなに小さかったんだ」と感動すること間違いなしです。
8-1. コツは「寝ている時」「ベビーオイルをつける」
赤ちゃんの手形をとるには、インクを使う方法や粘土を使う方法、さらには写真から手形を作る方法まで様々あります。
大人と違い、赤ちゃんの手形を撮るのはなかなか大変なもの。手形足形をとるコツは「寝ているときに取る」ことです。
また、最近では赤ちゃんの肌に優しいインクや粘土素材を使用したキットも販売されていますが、あらかじめベビーオイルを塗っておくと汚れも落ちやすく安心です。
やり方はいくつもあるので、自分に合ったやり方でやってみましょう。
8-1-1. インクは様々な色や手軽さが人気
最もおなじみなやり方は、インクを使ったやり方です。
スタンプ台に押し付ける形で赤ちゃんの手にインクをつけ、台紙に押します。インクで手形をとるメリットは、様々な色のインクで色鮮やかな手形をとることができます。
最近では、直接赤ちゃんの肌にインクが付かないようにインクで手形が取れるキットも販売されています。
8-1-2. 粘土は汚れにくく、何度もとりなおせる
粘土に赤ちゃんの手を押し付ける形で手形足形をとります。
インクとは異なり手を汚す心配がありません。また、粘土ですのできれいに手形が取れるまで何度でもやり直せるのがメリットです。
8-1-3. 写真を送って手形を作成する
最近では、赤ちゃんの手の写真を送るだけで手形を作成してくれるサービスもあります。
写真を撮るだけですので、何も準備する必要がありません。手軽に手形を残したい人にはおすすめです。
ealt|インテリアキャバス ベビーメモリアル手形・足形入り
8-2. 手形をグッズにしプレゼントに
最近では、取った手形をキーホルダーやアクリルスタンドに加工するサービスがあります。
赤ちゃんの記念の手形を身近なグッズに出来るので、お母さんとお父さんはもちろん、遠方に住む祖父母へのプレゼントにしてもとても喜ばれるでしょう。
メモリアルショップforyou|そのまんまあんよ おててプレミアム
8-3. 上手く取れなくてもかわいい思い出に
手のひらをきれいに開いてくれなかった、動いてしまってきれいに取れなかった、なんてこともあるかと思います。
生後間もない赤ちゃんは、手をグーにしていることも多く、失敗してしまうこともあるでしょう。
しかし、それはそれでかわいい思い出になります。失敗したとしても記念として残しておけば、エピソードとともによい思い出になるでしょう。
9. まとめ
いかがでしたでしょうか。
お七夜のポイントは
◇お七夜は、赤ちゃんとお母さんのお祝い
◇お七夜は七日を過ぎても問題ない
◇お七夜でやることは「命名式」「記念撮影」「食事会」
◇命名書は伝統的でも略式でもOK
◇記念撮影・食事会は赤ちゃんとお母さんの体調に合わせて
◇手形や足形をとるとよい思い出の記念に
です。
お七夜は、赤ちゃんが生まれて間もない時期の行事ですので、敬遠しがちになってしまう方も多いと思います。
ですが、命名書の作成や手形作成など、後々思い出に残る行事です。時期をずらしても、やっておくとよい思い出になること間違いなしですよ。
<参考資料>
久保村正高「一生使えるお作法図鑑」(2008)PHP研究所
藤井正雄「神事の基礎知識」(1987)講談社
よくある質問
[質問]お七夜ってなに? |
[回答]赤ちゃんが生まれて7日目を迎えたお祝いです。命名式などを行います。 |
[質問]お七夜には何をするの? |
[回答]赤ちゃんの名前のお披露目会である命名式や、食事会をします。 最近では記念に手形をとったりニューボーンフォトを撮影するのもよいでしょう。 |
[質問]お七夜は日にちをずらしても大丈夫? |
[回答]お七夜は日にちをずらしても大丈夫です。 赤ちゃんとお母さんの体調が整ってから行うようにしましょう。 |