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安産祈願や神社のことについて、神職が綴ります。

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【2024年初詣】お守りはいつ・どこに返納すればいい?お守りの意味からお納めの仕方までを神職が解説します

【2024年初詣】お守りはいつ・どこに返納すればいい?お守りの意味からお納めの仕方までを神職が解説します

神社へお参りに行った際にいただくお神札やお守り。

お神札やお守りは神様の力が宿っており、神様と同じように大切に扱わなければなりません。初詣などで神社に行き、願いを込めてお守りを受ける方も多いかと思います。

しかし、願い事が叶ったあとや、役目を終えたとき、どのようにするのが正しいのでしょうか?

ここではお守りを返納するタイミングや場所、返納する際の注意点などをご紹介いたします。

この記事を読めば、神様に失礼になることなく返納でき、新しいお神札やお守りを迎え気持ちの良い一年をスタートさせることができるでしょう。

1.お守りとは?

お守り

1-1. 神様の力を戴くもの

お神札やお守りは、神様のご分霊を移したものであり、神様の力が宿るものといわれています。

神様の力を戴くものであり、神様自身でもあります。そのため、神様と同じように丁重に扱わなくてはなりません。

1-2. お守りはお神札を小型化したもの

お神札は「神符」「守札(まもりふだ・しゅさつ)」ともいわれ、主に自宅の神棚でお祀りをします。

お守りは「守札」のひとつで、お神札を小型化し、常に身に着けていられるようにしたものです。

1-3. 平安時代から広まる

お守りは、縄文時代の魔よけの勾玉が由来であるとする説など諸説ありますが、現代につながる本格的なお守りの登場は、平安時代頃であるといわれています。

平安時代の貴族の間では、お札を袋に入れて身に着ける「懸守(かけまもり)」が流行っており、のちに鎌倉時代の武士の間でも広まりました。

庶民に広まったのは江戸時代になってからです。当時は、木片や小さい書付を袋に入れて肌身離さず持ち歩いていたことから「肌守(はだまもり)」とも呼ばれていました。

1-4. 30%の人が初詣でお守りを受ける

初詣で神社にお参りする人のうち、およそ3割の人がお守りを受けることを目的としています。

初詣の主な目的グラフ

(出典:【年末年始はどう過ごす?】来年(2021年)の初詣・参拝とオンライン化への調査を実施!‐ゼネラルリサーチ

2.返納するタイミングは?

お守り

2-1. 一年が目安

お守りは、期日があるものではありませんが、一般的には一年を目安に神社にお納めします。

お神札やお守りは、一年ごとに新しく受けていただくことがよいとされています。前の年のお神札やお守りは受けた神社にお納めするのがよいでしょう(神社本庁公式サイト)。

日本では古来より、お正月に新しい神様(年神様)を家に迎える風習があります。そのため、お守りも一年ごとに新しいものを受けるようになったといわれています。

2-2. 願いが叶ったら

安産祈願や合格祈願、良縁祈願などのお願い事は、一年よりも早い時期でお願い事が成就することもあります。
その場合、一年たたずともお願い事が叶った段階で返納してしまって問題ありません。

無事にお願い事が叶ったことを神様に感謝をし、返納しましょう。

2-3. 古いお守りを持ち続けることは避けましょう

安産祈願のお守りや合格祈願のお守りは、お願い事が叶っても記念として持っていたい人もいるかと思います。
しかし、古いお守りをいつまでも持っているのはおすすめしません。

神道には「常若(とこわか)」という考え方があります。常若とは、いつまでも新しく若々しく生命力に満ち溢れている様子を示します。

伊勢の神宮が二十年に一度、社殿を立て替えるのはこの常若の考え方によるものです。
一年はあくまで目安ではありますが、いつまでも古いお守りを持ち続けているのは避けたほうがよいでしょう。

2-4. 六曜は気にしないで大丈夫

お守りを返納する際、大安や仏滅などの六曜は気にしなくて問題ありません。

仏滅では神様に失礼に当たる、なんてことはないのでご安心ください。

3. どこに返納する?

古いお守りを返納する古御札納所

3-1. いただいた神社・お寺で納める

お守りは、いただいた神社やお寺に返納をするのが基本です。

神社やお寺にはそれぞれ「古札納所」とよばれる、お神札やお守りを納める場所があります。
お正月期間のみ設置されている神社やお寺もありますので、その場合は直接職員の方に聞いてみましょう。

3-2. 近所の神社・お寺で納める

お守りをいただいた神社が遠方の場合など、いただいた所で返納するのが困難な場合は、お近くの神社で返納しても問題ありません。

その際、神社のお守りは神社で、お寺のお守りはお寺で納めるのがマナーです。また、お寺の場合には宗派がありますので、納める前にお寺に問い合わせておくと確実です。

神社のお守りをお寺で、逆にお寺のお守りを神社で納めることは神様にも仏様にも失礼ですので、注意しましょう。

3-3. お納め料を添えましょう

お守りを納めるときには、お納め料(お炊き上げ料)を一緒に納めましょう。
神社やお寺によっては決まっている場合もありますが、指定がない場合はお気持ち程度(100円程度)のお納めでかまいません。

あくまでお気持ですので、のし袋などは使用しなくても大丈夫です。

3-4. どんど焼きや左義長でお炊き上げする場合も

どんど焼き

神社や地域でどんど焼きや左義長(さぎちょう)を行っている場合、古いお守りを一緒にお炊き上げする場合もあります。

どんど焼きとは、正月十五日を中心に全国で行われている火祭りの行事で、古いお守りやお神札、正月の松飾りなどを積み上げて焼きあげる神事です。
神社や地域で行っている場合もあるので、確認してみましょう。

3-5. 神社やお寺に郵送する

神社やお寺によっては、郵送でお守りの返納を受け付けているところもあります。
ただし、いきなり送るのは失礼にあたります。事前に連絡を取り、確認の上送付するようにしましょう。

4. 一緒に返納してよいものは?

古いお守りや熊手

4-1. 基本は神社・お寺でいただいたもの

お守りと一緒に返納してよいものは神社やお寺によって異なりますが、基本は神社・お寺でいただいたお神札やお守り、熊手などの縁起物です。

木製の神棚なども納めることが出来ますが、大きいものやガラスがついているものは一度相談してみましょう。

4-2. 人形やぬいぐるみは神社・お寺による

人形やぬいぐるみは基本的には納めることができませんが、人形感謝祭や人形供養を執り行っている神社やお寺であれば、納めることができます。

その場合、納められる期日が決まっている場合もあるので確認してみましょう。

納められるもの・納められないもの

5.自分で処分していいの?

5-1. ごみとして出すのは避けましょう

お守りを可燃ごみとして出すことは避けましょう。
お守りは神様が宿られているものです。ごみと一緒に捨てることは好ましくありません。

5-2. 時間がかかっても大丈夫です

いただいた神社・お寺に行けない場合は近所の神社やお寺で納めましょう。納めるのはきっちり1年間でなくても大丈夫です。

たとえ数か月時間がかかってしまったとしても、神社やお寺で感謝を込めて納めることが大切です。

5-3. 代理の人に納めてもらっても大丈夫

どうしても自分で納めに行けない場合は、代理の人に返納してもらっても大丈夫です。

家族や友人が初詣に行くタイミングなどでお願いしましょう。

6.まとめ

お守り

いかがでしたでしょうか。

お守りの効果は特に期限があるものではありませんが、気持ちを新たにする意味も込めて、1年に1度新しいものをお受けすることをおすすめします。

古いお守りは返納することになりますが、お守りは神様の力が宿るもの。願いが叶った後も感謝の気持ちを込めて丁寧にお納めすることが大切です。

基本はお受けした社寺にお返しするのが本義ですが、遠方の場合は近場の神社やお寺にお戻ししましょう。時期によってはどんど焼きでお焚き上げしてもらうのもよいでしょう。

感謝の気持ちをもってお守りを納め、気持ちを新たに、新しいお守りを受けてみてくださいね。

 

7.よくある質問

[質問]お守りはいつ返せばいいですか。
[回答]お守りの効果は明確な期限が決められているものではありませんが、1年を目安に古いお守りをお納めして新しいものを身につけましょう。
[質問]お守りはどこに返せばいいですか。
[回答]お守りをいただいた社寺にお納めいただくのが本来ですが、遠方であるなどの理由でいけない場合は、近所の社寺にお納めいただければ大丈夫です。ただし、神社のお守りは神社に、お寺のお守りはお寺にお納めしましょう。

 

 

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