1.寒中見舞いとは?
1-1. 寒い時期に相手を気遣う季節の挨拶状
寒中見舞いとは、夏の暑中見舞いや残暑見舞いと同じ季節の挨拶状の一つであり、冬の最も寒い時期に相手を気遣って送るものです。
寒中見舞いの起源は中国にさかのぼりますが、日本では特に明治時代の末期にその習慣が始まったとされています。
また、当時の寒中見舞いでは詩や短歌、俳句などの文学的要素を含むことが多く、昔は季節感を反映した美的な表現の場ともなっていました。
現代では、年賀状を出しそびれたり、喪中で新年のあいさつを控えたり、といった場合に、「年賀状の代わりに送るもの」というイメージが強いかもしれませんが、本来は季節の挨拶状なのです。
2.寒中見舞いはどんなシーンで送る?
2-1. 年賀状への返事として
寒中見舞いは、年賀状の返事として送ることができます。
例えば、
・喪中で年賀状が出せなった
・年賀状を出しそびれてしまった など
こうした場合に、いただいた年賀状への返事として寒中見舞いを出します。
2-2. 喪中はがきの代わりとして
喪中はがきは11月~12月初旬に送るのがマナーとされていますが、12月後半に身内に不幸があった場合は急いで年内に喪中はがきを送るのではなく、松の内が明けてから、寒中見舞いで訃報を知らせることが一般的です。
2-3. 喪中はがきへの返事として
喪中はがきを受け取った場合、寒中見舞いはその返事として送ることができます。
本来、喪中はがきはその喪中である方が”新年のお祝いのあいさつ状(年賀状)を送ることができません”ということであって、決して”年賀状を送ってこないでください”ということではありません。
したがって、喪中の相手に年賀状を送ることがいけないわけではありませんが、最近では喪中はがきを受け取った場合はその相手に年賀状を送るのを控え、年始状や寒中見舞いを送ることが多くなっています。
2-4. 喪中と知らずに年賀状を出したときのお詫び
喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合、そのお詫びとして松の内が明けてから寒中見舞いを送ります。
本来、喪中の相手に年賀状を送ることはマナー違反にはなりませんが、近年では喪中の相手には年賀状を控える傾向があります。
そのため、寒中見舞いで年賀状を出してしまったお詫びをすることで、相手への気遣いを伝えることができます。
3.寒中見舞いはいつ送る?
3-1. 松の内があけてから立春まで
寒中見舞いは、「松の内があけてから立春まで」に送ります。
3-1-1. 松の内は地域によって異なる
松の内とは、門松やしめ縄などの新年の飾りを施し、新年をお祝いする期間のことです。寒中見舞いは、その新年のお祝い期間が終わってからの季節の挨拶状となります。
松の内の期間は地域によって異なりますが、松の内とは関東地方は元日から1月7日。関西地方では元日から1月15日とすることが一般的です。
したがって、松の内があけてから、というと一般的に、関東であれば1月8日、関西やその他の地域では16日以降のことを指し、この頃に相手に届くように寒中見舞いを出します。
早く出したい場合でも、それぞれの前日、つまり1月7日および15日に投函するようにしましょう。
なお、松の内があける時期は、相手の地域に合わせることがマナーです。
3-1-2. 2024年立春は2月4日
立春は二十四節気の一つで毎年日にちが異なりますが、2024年は2月4日(日)です。
3-2. 投函は遅くとも1月末までが安心
寒中見舞いを送る期間は立春までとされますが、2024年の立春は2月4日の日曜日です。
普通郵便の土日配達はありませんので注意が必要です。
また、発送元・相手先の場所によっては配達に営業日2~3日かかることもあります。郵便の届日数を考慮しながら、早めに準備することを心がけましょう。
3-3. 立春以降に送る場合は余寒見舞いを
立春、つまり今年でいえば2月5日以降に相手に到着する場合は、寒中見舞いではなく「余寒見舞い」を送りましょう。
余寒見舞いも、寒中見舞いと同じく季節の挨拶状の一つです。
立春を過ぎ暦の上では春を迎えたものの、まだ厳しい寒さが残っている時期に相手を気遣うために送る便りです。
余寒見舞いは、2月中に出すのがおおよその目安ですが、東北や北海道などの寒い地域に送る場合は3月上旬頃まででも大丈夫です。
4.喪中はがきや年賀状との違いは?
寒中見舞い、喪中はがき、年賀状は「お正月前後に送るはがき」ではありますが、少し混乱しがちです。
ここでは、それぞれの役割と送る時期を整理していきます。
4-1. 役割の違いは?
4-1-1. 喪中はがき・・・年賀欠礼のお知らせ
喪中はがきは、別名「年賀欠礼状」といいます。その名が示す通り、「年始のお祝いのあいさつを控える」ことを知らせお詫びをすることをその趣旨としています。
4-1-2. 年賀状・・・・・新年の挨拶状
年賀状は、新年をお祝いするはがきです。
4-1-3. 寒中見舞い・・・季節の挨拶状
寒中見舞いは、一年の最も寒くなる時期に相手を気遣って送る便りです。
年賀状ではありませんので、「あけましておめでとう」「謹賀新年」といった新年を祝う言葉は添えません。
4-2. 送る時期の違いは?
4-2-1. 喪中はがき・・・11月~12月上旬まで
喪中はがきは、喪中のため年賀状を出せないことを知らせるものです。
喪中はがきを受け取った側も、喪中の相手に年賀状を送らないようにすることが近年では主流です。したがって、喪中はがきは年賀状の準備を始める前に相手に届けるのがマナーです。
4-2-2. 年賀状・・・・・元日から松の内まで
年賀状は新年のお祝いの言葉を伝えるためのものですので、お正月の期間、つまり松の内に送ります。
松の内の期間は地域によって異なりますが、関東地方であれば元日から1月7日、関西地方であれば元日から1月15日とするのが一般的です。
4-2-3. 寒中見舞い・・・松の内があけてから立春まで
寒中見舞いは、寒い時期に相手を気遣う挨拶状です。
そのため、お正月期間(松の内)が明けてから暦の上での立春を迎えるまでに送ります。
松の内があけてから、つまり、関東地方であれば1月8日、関西地方であれば1月16日以降に相手に届くようにしましょう。
立春は二十四節気の一つで年によって変わりますが、今年2024年の立春は2月4日(日)です。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
この記事を読んで、寒中見舞いの大切さや、いつどうやって送るべきかがおわかりいただけたかと思います。
寒中見舞いとは、年末年始の賑わいが落ち着いた後に「寒い中、いかがお過ごしですか」と心遣いを伝える日本の習慣です。
そんな寒中見舞いは、現在は
・年賀状の返事として
・喪中はがきの代わりとして
・喪中はがきの返信として
・喪中と知らずに年賀状を送ってしまった時のお詫びとしてなど
さまざまな場面で使われます。
この寒中見舞いを送る時期は、「松の内があけてから立春まで」です。
地域によって松の内が異なりますが、関東地方は1月7日・関西地方は1月15日までを松の内とするのが一般的です。
したがって、それぞれ1月8日・16日以降に相手に届くようにしましょう。
また、今年の立春は2月4日(日)です。土日は普通郵便の配達はありませんので注意しましょう。配達地域にもよりますが、遅くとも1月末までに投函するのが安心です。
メールやSNSがコミュニケーションの中心となりつつありますが、寒中見舞いは、大切な人たちへの思いやりと敬意を伝えることができる貴重な手段となり得ます。
年賀状を出しそびれた、喪中で新年のあいさつができなかった・・・そんな方は是非、寒中見舞いを送って相手を気遣ったり、ご自身の近況報告をしてみてはいかがでしょう。
<参考資料>
寒中見舞いとはどんな風習?由来や意味、送る際のマナーなどを解説| お歳暮・冬ギフト特集2023|郵便局のネットショップ (japanpost.jp)
よくある質問
[質問]寒中見舞いはいつ送りますか? |
[回答]松の内があけてから立春までに相手に届くように送りましょう。松の内は地域によって異なりますが、関東地方では1月7日、関西地方では1月15日とするのが一般的です。立春は年によって異なりますが、2024年は2月4日(日)です。 |
[質問]寒中見舞いは、喪中はがきの代わりとして使えますか? |
[回答]寒中見舞いは、喪中はがきの代わりとして、喪中であったことを伝える手段になり得ます。喪中はがきは11月~12月上旬に送るものですが、寒中見舞いは松の内が明けてから送ります。12月後半に身内の不幸があった場合は、急いで喪中はがきを送るのではなく、お正月が終わってから寒中見舞いで喪中のため新年のあいさつができなかったことをお伝えしましょう。 |
[質問]寒中見舞いを出しそびれてしまった場合はどうしたらいいですか? |
[回答]寒中見舞いを送るのは立春までとされますが、何らかの事情で遅れてしまう場合は2月中を目安に「余寒見舞い」を送りましょう。 |