1. 千歳飴とは?
1-1. 七五三のお祝いで食べる飴
千歳飴とはご存知の通り、七五三のお祝いで子供達が食べる、細長い紅白の飴をいいます。
千歳飴は、七五三のお参りの際に神社などからいただくのが一般的で、子どもの長寿とこれからの成長への願いを込め、子どもたちに贈られます。
1-2. 長寿と健やかなの成長・厄払いの願いが込められている
千歳飴は、子どもたちの長寿と、これからのさらなる成長への願いが込められた縁起物です。
「千歳」の名の通り、子どもたちの長寿と、健やかな成長への願いが込められています。
また、千歳飴の長くて細い形には「長く元気に過ごせるように」「粘り強く健やかに成長しますように」との意味が込められており、飴の紅白の色は「厄払いの色」といわれ、子どもから厄を取り祓う、という縁起のいい意味が込められています。
1-3. 千歳飴の発祥は諸説あり
千歳飴が子どもたちに贈られるようになったのは、江戸時代からといわれています。
現代ほど医療技術の発達していなかった当時は、子どもが病気で亡くなってしまうことも多く、無事に成長することは周りの大人たちの大きな願いでした。そのため当時は高級食材であった砂糖を使った飴に「千歳」の名前を付けて子どもたちに贈ったのが由来です。
千歳飴の発祥については諸説ありますが、中でも神田明神の「祝い飴」、大阪の平野甚左衛門の「せんざいあめ」、浅草寺の「千年飴」が千歳飴の発祥として知られています。
1-3-1. 神田明神の「祝い飴」
江戸時代の神田明神では、子どもが三歳・五歳・七歳になると祝児詣(いわいごもうで)という、無事の成長を神様に感謝するお参りが行われており、その際に用いられたのが「祝い飴」という飴でした。この「祝い飴」が千歳飴の発祥になったといわれています。
ただし祝い飴は千歳飴と異なり、お祝いのお返し(内祝い)として、周囲の人に配った贈り物だったそうです。そのため歌川広重の浮世絵には、お参りに行く家族と共に、千歳飴を持った丁稚の姿が描かれています。
1-3-2. 平野甚左衛門の「せんざいあめ」
大阪の商人である平野甚左衛門が江戸の境内で飴を売り始めたのが始まりといわれる説です。平野甚左衛門の千歳飴は「せんざいあめ(=千歳)」とよばれ、長寿の縁起物として売られていました。その名残が、現在の千歳飴につながったとされる説です。
1-3-3. 浅草寺の「千年飴」
もう一つの説は、浅草寺の飴売り七兵衛が、「千年飴」という名前で紅白の飴を売り歩いていたのが始まりという説です。
こちらも「千年」の名の通り、長寿の縁起物として子供たちに配っていたことが伺えます。
1-4. 千歳飴は袋も縁起がいい
千歳飴は通常縦長の袋に入れられ、子どもたちに贈られます。
多くの千歳飴の袋には「高砂(たかさご)」とよばれる絵が描かれています。「高砂」とは能の演目のひとつで、夫婦和合・天下泰平を意味するとても縁起のいいお話です。
高砂の他にも「鶴は千年、亀は万年」といわれる長寿の証である「鶴亀」。縁起物でおなじみの「松竹梅」などが描かれています。
千歳飴は、袋までもが縁起のいい縁起物尽くしなのです。
2. 千歳飴の正しい食べ方は?
2-1. 食べ方に決まりはない
千歳飴の食べ方に決まりはありません。一度に食べなければいけないというルールもありません。
千歳飴の直径は直径14.5mm以内、長さは1m以内と定められており、大きいものを一度で食べるのは大人でも大変です。長い飴をお子さまが食べる際は危険も伴いますので、無理せず何度かに分けて食べましょう。
2-2. 折ったら縁起が悪いは間違い
千歳飴は折ったり、細かく砕いて食べても問題ありません。「切ってしまうと縁起が悪いのではないか」と思われるかもしれませんが、そんなことはありませんのでご安心ください。
小さいお子さまの場合、誤飲の危険性もありますので、適切な大きさにしてから食べるようにしましょう。
2-3. 細かくするときはキッチンバサミや包丁の背を使おう
千歳飴を切る際は、キッチンバサミで切るか、包丁の背で割って細かくします。
千歳飴は、あらかじめ電子レンジで少し温めると切りやすくなります。是非試してみてください。
2-4. 3歳のお子さまは誤飲に注意
千歳飴は、特に3歳のお子さまに与えるときは誤飲に注意しましょう。
縁起ものだからと、無理してそのまま食べる必要はありません。下記で紹介しているようにホットミルクにするなど、食べやすい工夫をしましょう。
3. 千歳飴の賞味期限・保存方法は?
千歳飴をそのまま一度で食べてしまうのは、大人でも大変です。食べ残した千歳飴は、きちんと保存をしておきましょう。
3-1. 千歳飴の賞味期限はおよそ1年
千歳飴にはそれぞれ賞味期限が記載されていますが、おおよそ製造年月日から1年のものが多いようです。
本来、飴の成分は砂糖であるため賞味期限があるものではありませんが、着色料やその他の成分が入っていることが多いため、市販の飴も賞味期限を1年としているものが多いようです。
3-2. 保存は冷蔵庫でOK
千歳飴の主成分は砂糖なので、腐って食べられなくなるということはほぼありませんが、湿気で飴が溶けてべとべとになってしまうことがあります。
湿気を防ぐためには密閉した容器の中に千歳飴とともに乾燥材を入れ保存するのが一番ですが、ラップをして冷蔵庫に保管しておくだけでも十分効果があります。
3-3. 消費期限は砂糖以外の成分に注意
千歳飴は砂糖が主成分のため、賞味期限が過ぎたからといって、即、食べられなくなるということはありません。
ただし、最近の千歳飴は着色料や香料を使っているものが多く、砂糖以外の成分が劣化してしまうことがあります。
飴だから大丈夫、と思わず、古くなった見た目やにおいをよく確認するようにしましょう。
4. 千歳飴のアレンジレシピは?
千歳飴を一本そのまま食べきるのは、大人でも大変です。千歳飴は砂糖の代わりになる為、様々な料理に使用できます。
4-1. 手軽にホットミルク
ホットミルクの砂糖代わりに千歳飴を使いましょう。
最近ではイチゴ味の千歳飴や抹茶味の千歳飴もありますので、様々な味のホットミルクをい作ることが出来ます。
もちろんプレーンの千歳飴でも大丈夫。優しい味のホットミルクになります。
4-2. 煮物の砂糖代わりに
通常の千歳飴であれば、煮物の砂糖代わりにも使えます。
煮物であれば大量に千歳飴を消費できますので、千歳飴が余ってしまった方にお勧めのアレンジ方法です。
4-3. おやつの大学芋に
溶かした千歳飴は大学芋にも応用できます。
子どもの大好きな大学芋であれば、お子さまと一緒に料理をしても楽しい思い出になります。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
千歳飴は、江戸時代からつづく歴史ある縁起物ですが、食べ方に難しい決まりはありません。
主成分は砂糖ですので、そのまま食べても、料理にアレンジしても様々な使い道があります。
一つ気を付けなくてはいけないことは、誤飲やけがに注意することです。せっかくのお祝いですので、安全に楽しく七五三参りが出来るよう、千歳飴の食べ方も是非工夫をしてみてくださいね。
<参考文献>
日めくりオトナ稼業|七五三の千歳飴の賞味期限は?過ぎていても食べられる?確認方法は?
成美堂出版編集部「赤ちゃん・子どものお祝い事~出産から小学校入学までの行事」(2008)成美堂出版
6. よくある質問
[質問]千歳飴とはなんですか |
[回答]七五三のお参りの際に子供たちに贈られる、長寿と成長を願う縁起のいい飴です。 |
[質問]千歳飴はどこでもらえますか? |
[回答]一般的には七五三のお参りの際に、神社で貰えます。 |
[質問]千歳飴は折って食べたら縁起が悪い? |
[回答]千歳飴は折って食べても大丈夫です。縁起が悪いということはありません。 |
[質問]千歳飴の賞味期限は? |
[回答]千歳飴は、おおよそ1年を目安に食べましょう。 |