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【2024年版】「米寿」は何歳のお祝い?由来や意味を解説!

【2024年版】「米寿」は何歳のお祝い?由来や意味を解説!

日本には、古くから長寿をお祝いする風習があります。

そのお祝いの一つである「米寿(べいじゅ)」。

しかしながら、いざ米寿のお祝いをするとなると、何歳でお祝いをするのか、具体的に何をするのかなど、疑問わいてくるかもしれません。

大切な人の一生に一度のお祝いなので、失敗したくないという思いもあるでしょう。ただ、悩めば悩むほど時間ばかりが経ってしまい、米寿のタイミングを逃すなんてことがあっては本末転倒です。

ここでは、米寿は何歳のお祝いなのか、その由来や意味、おすすめのお祝いの仕方まで解説します。

この記事を読んで、さっそくお祝いを企画してみましょう。

長生きをしてくれたことに敬意と感謝の気持ちを伝えることで、ご家族で思い出に残る米寿のお祝いができることでしょう。

1.米寿は何歳のお祝い?由来は?

長寿の象徴である鶴と亀

1-1. 米寿は「88歳」のお祝い

米寿は、88歳のお祝いです。

感謝と尊敬の気持ちと、いつまでも健康で長生きしてほしいという思いを伝えるための長寿(賀寿)のお祝いの一つです。

長寿の祝いは、中国の儒教の敬老思想と長寿を尊ぶ思想が起源といわれています。

日本には、奈良時代頃から貴族の間で長寿をお祝いする風習がありました。

昔は今と比べて平均寿命が短く、「人生五十年」という言葉があるほどでした。40歳台が平均寿命であったため、40歳になると一族が集まって祝宴を開いていました。

その後も、10年ごとに「年祝い」をしたといいます。

現在では、厚生労働省の発表によると、日本の平均寿命は男性=81.05歳、女性= 87.09歳と、男女とも80歳を超え、さらに90歳まで生存できる人の割合は、男性25.5%、女49.8%となっています(出典:厚生労働省「令和4年簡易生命表」)。

いまや世界一の長寿国となった日本。米寿のお祝いをする機会も、以前に比べると多くなったことでしょう。

1-2. 米寿の由来は「八十八=米」

米寿は、「米」の漢字を分解すると「八十八」になることに由来します。

1-3. 数え年・満年齢どちらでも

年齢の数え方には、「数え年」と「満年齢」があります。

【数え年】
生まれた年を1歳とし、お正月を迎えるタイミングで年齢が加算される数え方。

 

【満年齢】
生まれた年を0歳とし、誕生日を迎えるタイミングで年齢が加算される数え方。

 

昔は「数え年」の考え方で年齢を数えていましたが、現在では満年齢が主流です。同じように、長寿の祝いも数え年の年齢で祝われていましたが、現在では、満年齢でもよいとされています。

ちなみに、数え年と満年齢の考え方は、最大で2歳の差が生じます。(例:2023年12月生まれの場合、2024年1月時点で数え年の場合は2歳ですが、満年齢の場合は0歳となります。)

そのため、早めにお祝いをしたいということであれば、数え年の考え方を採用するとよいでしょう。

ただし、還暦(60歳)だけは、干支が一巡することをお祝いするものなので、昔も今も、満年齢でお祝いをするのが一般的です。

>>>数え年・満年齢について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
【2024年(令和6年)年齢早見表】満年齢って?数え年との違いは?七五三などシーン別の使い分け方法を紹介 | 産泰神社 このはな手帖

2.2024年「米寿」は何年生まれ?

2-1. 数え年の場合|昭和12年生(1937年)

数え年、つまり生まれた年を1歳としてお正月を迎えるタイミングで年齢が加算される数え方で数えた場合、2024年は昭和12年生まれ(1937年生まれ)の方が米寿のお祝いにあたります。

2-2. 満年齢の場合|昭和11年生(1936年)

満年齢、つまり生まれた年を0歳として誕生日を迎えるタイミングで年齢が加算される数え方で数えた場合、2024年は昭和11年生まれ(1936年生まれ)の方が米寿のお祝いにあたります。

3.米寿のイメージカラーは?

米寿を象徴する色

3-1. 黄色や金色

長寿の祝いには、それぞれを象徴する色があります。

88歳のお祝いである米寿の色は
黄色・金色(他にも、金茶色、濃黄色、山吹色)です。

というのも、「米」の文字から連想される色が、収穫を迎える稲穂が光り輝く様であるためといわれています。

そのため、米寿のお祝いでは黄色いちゃんちゃんこを着るというのが定番です。

米寿の記念としてプレゼントをあげる際は、黄色いものを選ぶと喜ばれるかもしれません。

4.米寿のお祝いはどうする?

せっかくの米寿のお祝いです。普段は仕事や学校でなかなか会えないという方もいらっしゃるかもしれませんが、これを機に家族・親戚が集まり何かお祝いをすると、米寿のご本人だけでなく参加する全員の大切な思い出となることでしょう。

4-1. 食事会

家族・親戚が集まり、自宅やレストラン・料亭で食事会をしてお祝いするのもよいでしょう。

自宅でお祝いをすれば、家族水入らず、リラックスした雰囲気の中、楽しい時間を過ごすことができます。

孫・ひ孫など小さいお子様がいる場合でも、気を遣う必要がありません。また、健康上の不安がある場合でも、好みや体調に合わせた料理を準備できますし、疲れてもすぐに休憩することができるのは安心です。

一方、レストランや料亭でお祝いでは、プロの料理人による料理をいただけるという特別感があります。料理を準備する必要がないため、企画や準備をする人の負担はかなり抑えられるのも嬉しいポイントかもしれません。

予約の際は、足腰の弱い方がおられる場合はテーブル席・掘りごたつ席などの条件を確認しながら、家族が落ち着ける個室を予約するのがおすすめです。自宅からの移動を考え、無理のない場所での開催を検討しましょう。

4-2. プレゼント

プレゼント

米寿のお祝いにプレゼントをあげると、よい記念になります。

何らかの事情で直接渡せない場合は、宅配で送る手もあります。

長寿の祝いのプレゼントとしてよく使われるのは
・食器類
・ブランド米
・有名な日本酒
・タオル
・リラックス用品

米寿のプレゼントの場合は、米寿を象徴する黄色のものを選ぶと、見るたびに嬉しい気持ちを思い出すことでしょう。

プレゼントですので、高級感があり華やかなものが特別感があり喜ばれるでしょう。

ただし、プレゼントを選ぶ際には、以下の点に気を付けましょう。

・縁起が悪い品物は避ける
(例えば、「苦」や「死」を連想させる「くし」)

・相手の健康状態に配慮する
(制限されている食材はないか、など)

4-3. 旅行

温泉

せっかくの米寿のお祝いです。体調と相談しながら、気候のよい時期に旅行に行くというのも一案です。

温泉旅館やリゾートホテルでの宿泊であれば、ゆっくりと過ごすことができるでしょう。健康状態に問題がなければ、近くの観光地に足を延ばしてもよいかもしれません。

宿泊施設によってはお祝いプランを設けているところもあるため、事前に確認してみることをおすすめします。

5.その他の長寿祝いは何歳?

長寿の祝いの一覧

 

>>>それぞれの長寿の祝いを迎えるのは何年生まれか、こちらで確認できます。
2024年(令和6年)年齢早見表【行事・人生儀礼付】| 産泰神社 このはな手帖

5-1. 還暦(60歳)

【読み方】かんれき

【 色 】赤

【由 来】古代中国が起源の干支と十二支を組み合わせた数え方から。

5-2. 古希(70歳)

【読み方】こき

【 色 】紫

【由 来】唐の詩人である杜甫(とほ)が詠んだ「曲江詩」の一説である「人生七十古来稀なり」から。このことから、「古稀」とも。

5-3. 喜寿(77歳)

【読み方】きじゅ

【 色 】紫

【由 来】「喜」の草書体である「㐂」が「七十七」と書かれているように見えることから。

5-4. 傘寿(80歳)

【読み方】さんじゅ

【 色 】紫 / 黄

【由 来】「傘」の略字である「仐」が「八十」と書かれているように見えることから。

5-5. 米寿(88歳)

【読み方】米寿

【 色 】黄

【由 来】「米」の字を分解すると「八十八」になることから。

5-6. 卒寿(90歳)

【読み方】そつじゅ

【 色 】白 / 紫

【由 来】「卒」の略字である「卆」を分解すると「九十」になることから。

5-7. 白寿(99歳)

【読み方】はくじゅ

【 色 】白

【由 来】「百」の字から「一」をとると「白」になることから。

5-8. 百寿(100歳)

【読み方】ひゃくじゅ / ももじゅ

【 色 】桃 / 白

【由 来】文字通り100歳であることから。一世紀は100年であることから「紀寿(きじゅ)」とも。

5-9. 100歳越え!長寿の祝い

5-9-1. 茶寿(108歳)

「茶」は「十」「十」「八十八」と書かれているように見ることができ、これらのすべての数字を足し合わせると108になることから。

5-9-2. 皇寿(111歳)

「皇」は、その上部が「白」、つまり「百」の字から「一」をとると「白」=99、下部が「一」「十」「一」と書かれているように見え、これらのすべての数字を足し合わせると111になることから。

5-9-3. 大還暦(120歳)

還暦である60歳の2倍であり、干支十二支が二巡することを意味します。長寿の祝いとしては、大還暦が最高齢です。

5-10. その他

5-10-1. 緑寿(66歳)

「緑寿(ろくじゅ)」は、他の長寿の祝いとは異なり、2002年に日本百貨店協会が提唱したことでお祝いされるようになった、比較的新しい長寿の祝いです。

もとは、「緑々寿(ろくろくじゅ)」を略したもので、「ろくろく=66」にかけられています。

特に決まった風習はありませんが、「緑寿」の名前にかけて、緑色をイメージしてプレゼントを選ばれる方もいるようです。

また、数え年での66歳は、満年齢の65歳になります。

ちょうど定年退職とタイミングが重なる場合は、この緑寿のお祝いとあわせて、これまで家族のために働いてくれた感謝の気持ちと第二の人生の門出をお祝いする気持ちを伝えてみてもよいかもしれません。

6.まとめ

長寿の象徴である鶴と亀

さて、いかがだったでしょうか。

「米寿」とは、長寿の祝いの一つであり、88歳のお祝いです。

昔は数え年でお祝いをしていましたが、現在では満年齢でお祝いすることも多くあります。

また、米寿を象徴する色は黄色。他にも金色、金茶色、濃黄色、山吹色など、好みの色調の記念品をプレゼントしたり、家族で食事会や旅行に行くなど、すると喜ばれるでしょう。

普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちと、これからも元気でいてほしいという思いを、是非米寿のお祝いで伝えてみてください。

きっと、思い出に残る素敵なお祝いになることでしょう。

 

<参考資料>

飯倉晴武「新装版 日本人のしきたり」2023年
令和4年簡易生命表の概況|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

よくある質問

[質問]今年の米寿の人は何年生まれですか?
[回答]2024年には、数え年の場合は昭和12年(1937年)生まれ、満年齢の場合は昭和11年(1936年)生まれの方が米寿にあたります。お祝いは、数え年・満年齢のいずれで行っても問題ありません。
[質問]米寿のお祝いには何をするとよいですか?
[回答]家族が集まり食事会を行う、プレゼントを渡す、旅行に行くなど、家族がリラックスして楽しめるような計画を立てるとよいでしょう。
[質問]米寿は満年齢ですか?数え年ですか?
[回答]昔は数え年でのお祝いが一般的でしたが、現在は、満年齢・数え年のどちらでお祝いしても問題ありません。

 

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